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公開質問状 八王子市へ

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2021年3月30日

八王子市長殿
八王子市医療保険部長殿

 

 

 私たちは、障害者権利条約の具現化のため、2011年8月にしょうがいしゃの代表も参加して作られた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の完全実現を求めて運動している団体です。

 こうした社会の実現にとって、生命について「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定する憲法第十三条、障害者権利条約第十条で規定する「生命に対する権利」は、最も基礎的な権利であると考えます。
こうした観点から、貴市が昨年12月18日に、「市内医療機関、高齢者施設等関係者」当てに発した「院内施設内において新型コロナウイルス感染症患者が発生した際の御対応について(依頼)」について、強い危機感をもっています。
 この通知にある「現実に、病院、施設内で新型コロナ感染が判明し、その患者が DNAR※を希望されている場合、自院、自施設内で介護、看護し続けていただかざるを得ないケースが出てきました。こうした状況は貴院、貴施設でも起こり うることであり、不測の事態に備えた御準備を、適宜進めていただきますよう、お願い申し上げます。」とは、適切な救命医療を行わず、入所している施設内で死なせることを求めているとしか考えられませ
ん。続く、「近隣施設等で、前述ケースのような新型コロナ患者が発生した場合、受け入れを御検討いただける二次救急、療養型、精神病院等がございましたら、是非とも御協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。」の記述も、救命ではなく、死を待つための医療機関を募集しているとしか考えられません。
 必要な究明治療は、すべての人に保障されるべきであるのは言うまでもありません。八王子市内には、多くの精神科病院や高齢者施設があり、また、ほかのしょうがいしゃ施設もあります。この通知の結果、これらに入院・入所している人々が新型コロナウイルスに感染した場合に、救命もされないまま死なされているのではないか、という強い器具をもっています。
こうした観点から、以下、質問します。


(1)東京都では、入院中の患者数も落ち着いてきている、と言われます。この昨年12月18日付通知は、現在も有効なものとして取り扱っていますか?


(2) DNAR とは、本来、心肺蘇生法を行わないという意味ですが、そのことが人工呼吸器や ecmo といった救命治療を行わないこととは、直結しません。2021年12月18日の通知では、 DNAR を拡大解釈しているとしか思えません。「患者が DNAR を希望されている場合、自院、自施設内で介護、看護し続けていただかざるを得ない」という判断が、どうして導き出されたのか、説明してください。


(3)この2021年12月18日の通知には、「受入病院の入院病床は逼迫している状況」、「受入病院は苦境に立たされて」いる、と書かれていますが、具体的にどのような状況であったのか、説明してください。


(4)この2021年12月18日以降、人工呼吸器などの救命治療を受けられずに亡くなった方は、どのくらいいますか?高齢者施設としては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホームなど、施設種類ごとにお答えください。また、医療機関についても、精神科病院、療養型病床など、種類ごとにお答えください。


(5)今後、このように救命治療を受けられずに亡くなることを防ぐために、どのような方策を検討していますか?具体的にお答えください。


以上の質問について、4月20日までに、書面によるご回答をお願いします。
 

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