公開質問状 川崎市

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2021年3月30日

川崎市長殿
川崎市健康福祉局障害保健福祉部長殿
保健医療政策室長殿


 私たちは、障害者権利条約の具現化のため、2011年8月にしょうがいしゃの代表も参加して作られた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の完全実現を求めて運動している団体です。

 こうした社会の実現にとって、生命について「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定する憲法第十三条、障害者権利条約第十条で規定する「生命に対する権利」は、最も基礎的な権利であると考えます。
 こうした観点から、貴市が今年1月22日に、「新型コロナウィルス感染症蔓延期における障害児者福祉施設内陽性者の入院対応について(依頼)」(以下、「障害児者福祉施設内陽性者の入院対応について」)、および、「蔓延期における高齢者・障害者等施設内陽性者の入院対応について(協力要請)」(以下、「高齢者・障害者等施設内陽性者の入院対応について」)について、強い危機感を感じております。
 「命を最優先して病床配分を行うフェーズ」とか、「救える命を救えない事態を避ける」というフレーズを記載する一方で、新型コロナ感染が陽性となった人に、 DNAR の確認を求めるなど、救命とは正反対の行為を求めています。しかも、 DNAR 概念の拡大解釈すら行っています。また、入院調整の対象となる人の状態も、かなり重度の状態を想定しており、ここまで待たされては助からないのではないか、との懸念を感じます。


こうした観点から、以下質問します。
(1)神奈川県の新型コロナウイルス感染者に対応する医療機関の状況は落ち着いてきた、と報じられていますが、ここで記述した1月22日の二つの通知については、現在も有効なものとして取り扱っているのでしょうか?


(2)「障害児者福祉施設内陽性者の入院対応について」では、「各障害児者福祉施設は、入院調整を円滑に行うため、利用者に発熱等の症状がみられる場合、DNAR(延命処置・人工呼吸器装着希望の有無)の確認」を求めています。
 「高齢者・障害者等施設内陽性者の入院対応について」においても、「施設は、陽性判明時点で DNAR(延命措置・人工呼吸器装着希望の有無)を必ず確認すること」を求めています。
救命を行うのであれば、なぜ、 DNAR を確認しなければならないのですか?


(3) DNAR とは、日本救急医学会・医学用語解説集によれば、「心肺蘇生法をおこなわないこと「と規定されています。ところが、上述した1月22日の二つの通知においては、「延命処置・人工呼吸器装着希望の有無」と、明らかに拡大解釈を行っています。
このような拡大解釈をなぜ行っているのか、説明してください。


(4)「高齢者・障害者等施設内陽性者の入院対応について」では、「DNAR 不明の場合、適切な医療機関の選定や入院調整が困難」と記しています。いのちの選別とも思われてなりません。ここに引用した部分は、具体的にどのようなことを指しているのか、説明してく ださい。

 

(5) DNAR の意思表示をしていた施設内の患者は、どのような医療機関に入院となったのか、具体的な病床の種類を示してください。


(6)「高齢者・障害者等施設」入所者の中で、 DNAR の意思表示をしていた新型コロナウイルス感染者の医療機関での死亡数を、示してください。


(7)「高齢者・障害者等施設内陽性者の入院対応について」において、入院調整の対象となる患者の状態を、次のように規定しています。「呼吸状態の著しい悪化(酸素投与無しで SpO2 92%未満、等)」、「意識状態の著しい低下」、「24 時間以上、食事水分摂取全く不可」。新型コロナウイルス感染の場合、患者の様態が急変し、死亡してしまう事態が報じられています。上述した状態まで、入院対応しなければ、死亡してしまう事例を多く生み出してしまうと考えますが、川崎市としてのご見解を説明してください。


(8)川崎市の「高齢者・障害者等施設」において、新型コロナウイルス感染により、同施設内で亡くなった方はいらっしゃいますか?いらっしゃる場合には、その人数を示してください。


(9)すべての人が救命治療を受けられるべきであると考えますが、川崎市としての今後の対策を示してください。県や国への要望も含めて教えてください。


以上の質問について、4月20日までに、書面によるご回答をお願いします。