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2022年12月22日 抗議文

愛知県警による精神障害者虐待死事件を糾弾する

【事実経過】

 43歳のAさん(名前は非公表)は愛知県警に逮捕され、警官によって殺された。2022年11月25日、Aさんは道に迷い人に尋ねた際、挙動不審だと思われて警察に通報され、経緯は分からないが公務執行妨害容疑で逮捕された。棒をふりまわしたという発表があるが真偽は分からない。Aさんは愛知県警岡崎署に拘留された。大声を出すなどしたため保護室に隔離された。その際、裸でベルト手錠と捕縛により身体拘束された。身体拘束は連続100時間(4日以上)、延べ140時間(6日間)に及んだ。

 父親はAさんが行方不明ということで届を出していたが28日に警察からの連絡で拘留されていることを知る。「留置場で暴れ、飯も食わん」と言われたので「息子は精神疾患であり鎮静剤の注射と入院させて治療させてほしい」と求めた。警察は「拘留中は入院させず留置場に入れる」と回答。父親は社会福祉法人を通じて入院治療を求めた。12月2日、Aさんを日常的にケアしていた保健所職員が5分間面会した。「統合失調症の症状が出ていた。膝にあざがあった。独り言を言っていたが会話もできた」という。

監視カメラには警察幹部を含め数名が足蹴にする場面が映っている。後頭部が便器に入った状態で警官が水を流す場面も映っている。12月4日未明にAさんが動かないので搬送された病院で死亡が確認された。死因について病院は「脱水症状」と診断したが、警察は「腎不全」だと言う。食事をとらず、水も飲ませられなかったことが死につながったと思われる。

Aさんは、2016年に交通事故が原因で統合失調症に罹患し、軽度の糖尿病もあった。障害者手帳2級を所持(日常生活に支障があるという認定)していた。社会福祉法人の支援を受け2021年5月から工場で働いていた。10月から一人暮らしをしていた。父親は「わーとなっている時と、話せる時がある」と言っている。これは急性期のことと思われる。

 

【警察による残酷な虐待・なぶり殺し】

 

 裸で140時間身体拘束し、食事をとらず水も飲まない(とらせない、飲ませないの可能性もある)にもかかわらず、警察は流動食等の経口栄養摂取も栄養点滴の方法をとらずに見殺しにした。

 病気であるにもかかわらず適切な薬を与えなかった。医者にも診せていない可能性が極めて高い。医者に診せたという発表はないからだ。糖尿病については薬を与えず、統合失調症についても適切な薬を与えていない。Aさんの場合、適切な薬を与えたのなら症状は治まったと思われるからだ。統合失調症の薬は多種多様でありまた劇薬なので、医者に診せていない場合、出された薬は飲んでも飲まなくても影響がないような軽いものだった可能性が極めて高い。実際に薬は効いていない。Aさんは服薬すれば働いて一人暮らしができるまでに回復していたのであり、適切な薬が処方されていれば伝えられるような急性期症状は抑えられたはず。薬を与えたと警察が発表しているのはペテンだ。明らかに警察によるなぶり殺しに等しい虐待があった。

 

【適切な医療があればA さんが亡くなることはなかった】

 

 大フォーラム実行委員会メンバーの重度精神障害者は冤罪で逮捕されて22日間拘留されたことがある(起訴されることなく釈放された)。逮捕は夕刻だが、薬を与えないのは拷問だと言い続けた結果深夜2時に精神科病院に運ばれて日常飲んでいるのとほぼ同等の薬を処方された。ただし、効果の高かった漢方薬は処方されず、医者は「あんた中国人か」と言っていた。これは当該メンバーに薬を出してもらうことが正当な権利であることの知恵があったからできたことだ。逮捕時に外からの応援もあったから、拷問をしたと言われたら困るという考えが警察側にもあったと思われる。こんな条件がすべての人にあるわけではない。そんな知識もない。このメンバーも合う薬がもらえなければ留置場で七転八倒していて、他人から見れば叫び、暴れまわっているように見えたことだろう。そして身体拘束されるだけではどうしようもなくて「改善の見込みなし」とされたことだろう。

 

【「動物以下の扱い」】

 

 父親はAさんが「動物以下の扱いを受けた」と言っているが全くその通りだ。これはなぶり殺しであり拷問死だ。人間として扱われていない。加害警官の処罰はどうしても必要だ。それも殺人罪に対する処罰でなければならない。

私たち大フォーラム実行委員会は加害者の警官の厳重な処罰と警察の謝罪と賠償を求める。警察の精神障害者を人間として見ないありかたは絶対に是正させなければならない。これは政府の責任でもある。政治の責任において是正させよ。警察庁は精神障害者を入れて今までの在り方を改め、今後の対策を決める場を持つべきである。警察が責任を感じるならば、真相の公表と、謝罪と賠償、加害警官の殺人罪での処罰をまず第一に行うべきである。

私たち「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会一同はそのことを強く求めるものである。

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