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2024年3月28日

沖縄を戦場にする政策をやめてください

内閣総理大臣 岸田文雄 様

「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会

「(岸田内閣は)台湾有事といった非常事態に沖縄県の離島住民らを避難させる計画策定に向け、内閣官房に検討班を設置した」(共同通信 1 月 27 日)

と報じられました。そして、

「政府の現在の想定では、他国からの武力攻撃が予測される事態となった場合、沖縄本島などの住民約 130 万人を屋内避難させ、台湾に近い先島諸島の全住民約 11 万人と観光客約 1 万人を沖縄県外に避難させる。石垣市と宮古島市から民間の航空機と船舶で、福岡空港や鹿児島空港、鹿児島港に運ぶ想定で、県の試算では 1 日当たり最大で約 2 万 2000人を輸送できれば、6 日で島から避難できる。九州の空港や港からはバスや新幹線で各県の避難先へ移動する。」(毎日新聞 2 月 9 日付電子版)とも報じられています。その想定に基づく計画策定や訓練までもが行われています。


 各地で発生してきた自然災害の中で、しょうがいしゃは避難所での生活が実際には困難で、傷んだ住宅や車の中で生活せざるを得ない状況を経験してきました。1995 年の阪神淡路大震災、2011 年の東日本大震災、そして、今年 1 月の能登半島地震においても、この状況は変わっておらず、政府の無策に歯ぎしりをする思いでいます。
 沖縄県外に移転させられる 12 万人の中には、しょうがいしゃ、高齢者、病気で入院している人などがいます。移転させるということそのものが、そうした人々のいのちと生活を破壊することになります。そして、避難所暮らしがますます命を脅かすことになるのです。
 沖縄本島で屋内退避させられる 130 万人の人々は、どうなるのでしょうか。基地が集中しているこの島が、政府の想定する事態の中で、安全であるはずがありません。シェルターのようなものが作られたとしても、そこに移動させられる、しょうがいしゃなどの人々のいのちと生活を脅かします。そして、地域生活が破壊されることになります。
 わたしたちは、障害者権利条約で目指されているともに生きる社会を破壊するこのような計画に絶対に反対します。そして、戦争のために避難せざるを得ないような状況にする政策そのものに反対します。


○なぜ沖縄を戦場にする事態が想定されているのか
 政府は、防衛費を2023年度予算で26.4%増額し、2024 年度予算案でも16.5%
増額しようとしています。生活や福祉にかかわる深刻な事態を、解決することもないままです。この増やした防衛費の中で、他国の領土を攻撃できるミサイルを、購入したり、自国で生産しようとしています。
 外国の領土を攻撃することを想定しているから、自国領土も攻撃される。だから、避難体制を作る、としているのです。「台湾有事」などということを想定しているので、沖縄が避難の対象とされるのですが、これは、第二次世界大戦の時と同じように、沖縄を戦場にする計画にほかなりません。そしてかつてのように、近隣諸国の人々のいのちを脅かすことになるのです。


 他国の領土を攻撃すること、他国で起こっている戦争に参戦すること、これら一切が日本国憲法違反です。沖縄県民が示した選挙での意思表示をも無視して、辺野古新基地建設を推し進める政府も最高裁も、憲法違反を行っているのです。新たなミサイル部隊を配置したり、自衛隊の訓練場を作ろうとするなど、沖縄への基地負担を、さらに増やそうとする政策も、容認できません。「沖縄は今も戦後ではない」という言葉が、沖縄の仲間から語られ、わたしたちは一刻も早く、こうした状況を変えなければならないと考えます


○こうした観点から、以下のことを求めます。
(1)沖縄を、戦場にする計画をやめてください。


(2)他国の領土を、攻撃できる兵器の保有をやめてください。


(3)他国で起こる戦争に、介入することをやめてください。


(4)政府予算は、生活・福祉の充実のために使ってください。特に、2022 年 9 月に、国連の障害者権利委員会から出された対日総括所見に基づき、しょうがいしゃが隔離されることなく、一生涯地域でともに暮らせるようにするための政策に使用してください。


(5)自然災害のための避難に当たっては、災害関連死を防ぐためにも、人間らしい生活が継続できる国の避難計画・避難所の基準を策定してください。この場合、しょうがいしゃ団体との検討を十分に行ってください。


以上

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